FIT卒業からその後、ニューヨークのショールームでのインターンシップ!
私は日本で大学を卒業後、NYにある大学、Fashion
Institute of Technology (Fashion Merchandising Management 専攻)に留学、卒業後1年間のプラクティカルトレーニングの期間にSOHOにあるショールームで働きました。私にとって学校に行っていた期間も学んだことは多かったのですが、卒業後すぐの仕事の経験は、今思ってもとても得るものが多い1年でした。学校を卒業してアメリカで働き始めて約4年経った今、‘初心忘れるべからず’ではありませんが、その一年間を振り返ってみたいと思います。
私が働いていたショールームのビジネスを簡単に説明すると洋服等のデザイナー達に代わって小売店のバイヤーに営業して注文を取ったり、雑誌等のメディアに撮影用のサンプル商品貸し出し等のPR活動を代行し、セールスからのコミッション+月々のマネージメント費で利益をあげるビジネスです。
そのショールームにはオーナー兼社長の女性とほか営業一人、PR一人の社員計4名、2年前にできたばかりの新しいショールームでした。社長はちょうど私が働き始めたときに妊娠初期で、私は彼女のおなかが大きくなり出産するまでをみながら、(なんと彼女は出産前々日まで普通に仕事をし、出産後5日目には仕事に戻っていました!)仕事をし、アメリカのビジネスシーンだけでなく、アメリカのワーキングウーマンをも同時に見ることができました。
私のそこでの役職は営業アシスタントでアメリカ人女性で国内外すべてのセールスを担当する上司について仕事を始めました。しばらくした後は私は主に日本を含むアメリカ国外からのバイヤーへの営業を任されるようになりました。とはいうものの始めはインターンとして働き始めたのですが、日本でもアルバイト以外、まともに働いた経験のない私がいきなりオフィスで、しかもアメリカで働くのは思った以上に大変でした。インターン先がなかなか見つからなかったので決定の電話がきた時はそれだけで大喜びだったのですが、実際始めてみると失敗の連続で電話ひとつ出るのにも、知らない名前、内容、なれない訛りのある英語などで伝言すら、うまく取れないこともしばしばでした。私と同じ時期にもう一人インターンで働いているアメリカ人の子がいたのですが、その子はどんどん新しい仕事を任されるのに私はできない事ばかりで正直つらい毎日でした。とはいうものの、FIT在学中に打たれ強く?なった私は(詳しくはJ-NewYork の私の留学生インタビューをご覧ください!)そのうちなんとかなるさと開き直り、1日も休まないことだけを目標に(笑)働き続け、約2ヶ月たった頃、努力(根気?)実ってか晴れて正採用としてなりました。
個人経営で社員数も当時4名と規模の小さい会社だったので、当然トレーニングというものは全くなく、みようみまねで自分で仕事を覚えていくという毎日でした。周りの意見もどんどん取り入れる、とてもオープンな社長だったので私もだんだん自分の意見やアイディアを出し、日本の雑誌から店や流行の情報収集したり、日本からくるバイヤーの方とコミュニケーション取ったり、また持っている日本のマーケット(市場)の知識を生かしたりと、アメリカ人でない、英語がネイティブでないというハンディより日本人であるということを生かして仕事をしようと心がけるようになれました。そして実際、社長やお客さんからも‘あなたがいてくれてよかった。’と言ってもらうことも増え、働き始めた頃は自分のデスクも持たせてもらえなかったのですが、(さすがアメリカ、実力主義です。)私のデスクもオフィスの中に入れてもらい、少しづつ自信をもって働けるようになり私自身も仕事が楽しくなりました。
そんなこんなであっという間に1年が経ち、プラクティカルトレーニングで働ける期間も残りわずかになったとき、このままここで働きつづけるか、日本に帰って仕事を探すかという選択に迫られました。私としてはもう1年ぐらいNYにいてこの仕事を続けたいと思っていました。しかしその為にはワーキングビザを新しく申請しないといけなく、その手間と費用を考えたら最低3,4年そこで働く覚悟で申請すべきだと思ったのですが、その時はずっとNYで働き続けたいか、将来は日本に戻りたいのか、自分でもどっちがいいのか決めかねていました。それならやっぱり一度日本に帰って働いてみて、それでもNYに戻ってきたかったらそうしようと考え日本での就職先を探し始めました。そして東京のアパレル会社に決めました。ところが勤務先が東京でなくロサンゼルスになる決まったのその後のことでしたが、それも私の運命だと信じロサンゼルスに行きました。
私にとってこのショールームで働いた1年間で得たことは、FITで学んだこと以上にいま仕事をする上でヒントになることが多々あります。また仕事に関することだけでなく、アメリカ人のボスから学んだ彼女の仕事に対するスタンス、また同じ女性の先輩として彼女達の女としての生き方を1年間身近で見ることができて自分自身の将来について考えるよい参考、影響となったことは言うまでもありません。今は日本の企業で働いていますが、あの時アメリカの会社で働いたおかげで、アメリカの会社というものが理解できたし、アメリカの企業と取引する上でとても役に立っています。
これから留学され方、もちろん学校で勉強することはとても大切なことですが、将来日本に帰って就職しようと考えている方も、もし機会があればぜひプラクティカルトレーニングを使ってアメリカの実社会で働いてみることをお勧めします。学校の授業だけでは学べないことが経験できあなたの将来にきっといい影響を与えてくれるのではないでしょうか。
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